D屠殺場における動物の虐待的扱いの比較/2016年と2020年
アニマルライツセンターは2016年、D屠殺場で、豚に対して「電気スタンガンの多用」「耳や尻尾をつかんで引っ張る」「体を蹴る」「豚の上に乗り顔を蹴る」などの虐待行為が行われていることを確認しました。D屠殺場には、こういった暴力行為をやめて欲しいという要望と改善策を提示しました。
その後先方からは、改善に取り組む実際的で前向きな回答をいただきました。
しかしそれから4年が経過した2020年、再度この屠殺場を視察したところ、豚たちは以前と変わらない暴力的な扱いを受けていることが分かりました。
アニマルライツセンターは再度要望を提出し、先方からは再度前向きな回答をいただきました。
しかし、私たちはこれでD屠殺場での虐待的扱いがなくなるとは思っていません。
D屠殺場だけではありません。
2016年に、やはりD屠殺場と同じように豚を蹴る、電気スタンガンの多用などの虐待行為を行っていた別の屠殺場がありました。アニマルライツセンターはそこにも改善策を示し要望書を提出し、先方からはD屠殺場と同じように実際的で前向きな回答が得られました。しかし2020年の視察で改善されていないことが分かっています。
アニマルライツセンターはこれからも、屠殺場での動物への虐待行為について、要望を続けていきます。しかし忘れないでほしいのは、これらの例で分かるように、これまで屠殺の問題に取り組んできて改善されたというケースはほとんどないということです。
その責任を、屠殺場やそこで働くスタッフに一方的に押し付けるつもりはありません。動物が大量生産大量消費され、モノのように扱われてしまう社会を作ってきたのは私たち一人ひとりだからです。
みなさんにお願いがあります。
・畜産動物の実態をSNSでシェアする、人に話すなどして周知する
・動物性の食べ物をやめる、減らすという選択をする
日本だけで一年間に
豚 16,319,598頭
牛 1,043,276頭
鶏 802,588,000羽
これだけの動物が殺されています(2019年)。
動物を大量生産大量消費し、モノのように扱い続ける社会は、倫理的で持続可能な社会だとはいえません。なぜなら、動物福祉の問題だけでなく、人獣共通感染症、抗生物質耐性菌、水質汚染、森林破壊、温室効果ガス排出、と様々な問題を引き起こしているからです。動物をモノのように扱ったつけは私たちに跳ね返ってきます。
私たち一人一人の行動で、動物を守り、私たち自身を守り、地球を守ることができます。