Learn Japanese Through Story (N5):フルヤノモリ/The Scariest Creature in the World

東北の民話『ふるやのもり』を #やさしい日本語 #SimpleJapanese でリライトしました。 【参考】 フジパン「民話の部屋」様 【音楽/効果音】 甘茶の音楽工房様  音人様  【イラスト】 イラストAC様  スクリプトーーーーーーーーーーーーーーーーーー 昔、山奥にお爺さんとお婆さんが住んでいました。二人はとても貧乏でしたが、とてもいい馬を飼っていました。 ある晩、泥棒が来て、馬小屋の梁に登りました。お爺さんとお婆さんが寝たら、馬を盗むつもりでした。 その晩、狼も、その馬小屋に入りました。お爺さんとお婆さんが寝たら、馬を食べるつもりでした。 雨が降っていました。お爺さんはお婆さんに言いました。 「お婆さん、世界で一番怖いものは何ですか」 「そうですね。泥棒ですかね」 お婆さんが答えました。それを聞いて、泥棒は嬉しくなりました。自分が世界で一番強いと思いました。 「泥棒が来て、私たちの馬を盗んだら困ります。お爺さんは、世界で一番怖いものは何ですか」 「そうですね。私が一番怖いものは、狼です」 お爺さんが答えました。それを聞いて、狼は嬉しくなりました。自分は世界で一番強いと思いました。 「そうですね。狼も怖いですね」お婆さんも言いました。 だんだん雨が強くなりました。 「ああ、もっと怖いものがあります」とお爺さんが言いました。 「何ですか」 「古屋の漏りです。あれが来たら、家の中が全部めちゃくちゃになります。怖い怖い。もうすぐ来ますよ」 それを聞いて、お婆さんも言いました。 「ああ、本当だ。今晩はきっと、古屋の漏りが来ますね」 実は「古屋の漏り」は、古い家の雨漏りのことです。雨漏りで家が水浸しになったら、家の中のものが全部ダメになります。 二人は急いで、雨漏りがするところに茶碗やお皿を置きました。 しかし、馬小屋からは何も見えません。 泥棒は考えました。 「フルヤノモリ? 聞いたことがない。泥棒より怖いものか」 狼も考えました。 「フルヤノモリ? 聞いたことがない。狼より怖いものが、もうすぐ来る…?」 狼は怖くなって、家へ帰りたいと思いました。 泥棒は、自分の下で何かが動きましたから、慌てました。馬が逃げると思って、その動いているものの上に飛び降りました。 狼はびっくりしました。 「フルヤノモリだ! フルヤノモリに捕まった!」 狼は慌てて走り出しました。泥棒は、自分が馬に乗っていると思っていますから、その耳をしっかり掴みました。 狼は怖くて怖くて、狂っ
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